自分に似てるな

「こうしたら面白いんじゃないか」「ああしたらもっと素敵になるんじゃないか」頭の中で想像を膨らませるのが好きだったし、思い浮かべたものが目の前で形になっていく過程はいつも楽しくて。時間を忘れて夢中になっていた

それはとても楽しい時間だったし、それが形になって目の前に現れたときは本当に嬉しかったし感動した。父はそんな“ものづくり”のワクワクで幼い僕をいつも楽しませてくれた。

純度を高く保つこと

好きなものとそうじゃないものへの温度差が激しくて興味のないファッションに関しては無頓着。穴のあいた靴下を履いていても全然平気だし、パンツもほぼほぼ自分で買ったことがなくて。友達からのプレゼントやお土産にもらった派手なキャラクターのパンツを何も考えずにはいて、メンバーにつっこまれることもしょっちゅう。かと思えば、大好きな『名探偵コナン』の話題になると無駄にこだわりや熱さを発揮してしまう……。余計な混ざり物を自分の中に入れずに自分の思いや好きなものをずっと大切にし続ける、そんな僕を「純度高め」と言ってくださる方もいるけれど


自分では「子供っぽすぎる」と思うこともある。
で、そう思うたびに「大人にならなければ」と
急に車や高級腕時計について勉強し始めたりして。


でも、そんなのはやっぱり長続きしなくて。「高価な時計を買ったところで怖くてつけられないし」「運転も怖いからペーパードライバーのままでいいや」すぐに「だったら『遊戯王カード』を買おう」の気持ちに戻ってしまうんですよ(笑)。自分で好きなものを選べる世界に生まれたんだからやっぱり、僕は自分の好きなものを大切にしたい。周りから「子供っぽい」と言われても、


たとえ好きになった女性に引かれてしまっても、
「それはそれでしょうがない」かな。
そのために、自分の好きなものを捨てる意味が僕にはよくわからないから。

言葉にするのはその思いをみんなと共有したいから。どこかで同じ思いを抱えている誰かに「あなただけじゃないよ」と伝え寄り添いたいから。
そして、それは受け止めてくれる人がいるからこそ、反響するように僕自身に戻ってくる。
「僕は一人ではないんだ」と思える。僕はいつも言葉に救われ浄化されている

頭の中にあるメロディや心の中にある思いを“楽曲”という形にする。幼い頃に夢中になった“ものづくり”の延長線上に楽曲制作も存在しているんだと思う。映画を見ているときにふと頭に浮かんだ言葉からイメージが膨らむこともあれば、
楽屋でシャワーを浴びているときに何気なく奏でた鼻歌がピンときて、
ずぶ濡れのまま裸で飛び出しスマホボイスレコーダーに録音したこともある。
僕のスマホにはいつか楽曲になる日を待っているえぐい量の“言葉”や“メロディ”が記録されている。

譲れない美学僕の中には“譲れないこと”が沢山ある。貫きたい美学やルールが多く自分でも「頑固で面倒臭いやつだな」とたまに思う。悩んだり迷ったとき、僕はあまり周りに相談しない。相談したところで結局は自分の答えはすでに決まっていて、周りが「こっちだよ」と言っても動かない自分を知っているから。僕は自分の直感を信じて踏み込むことを大切にしている。たとえ、それが大失敗だったとしても悩みまくって出した結果ならきっと納得できると思う」

ライバルは誰かと聞かれたら、僕は「いない」と答える。
僕自身の中には“誰かと競う”感覚があまりない。それはきっと「この年齢までにこれを成し遂げたい」、「次はこういうことができるようになりたい」と、自分の外側ではなく内側しか見ていないからなんだと思う。何をやっても上手くいかないと感じていた時期、先輩方が僕に届けてくれたのが「それぞれのタイミングがある」という言葉でした。それが早く訪れる人もいれば、遅れてやってくる人もいる。だからこそ、腐ったり、諦める前に、自分の実力を磨いて、僕はいつか自分のもとにも訪れるであろうタイミングをちゃんと自分のものにできる人になりたい大事なのは他人と自分を比べることじゃない。
チャンスを掴む握力を鍛え続けること。
よそ見をせずに自分自身と向き合うこと。

僕は何も持っていませんでした。音楽の授業中に「もう少し、小さな声で歌おうか」と先生に注意されるほど歌もヘタクソだったし、運動神経が悪くてダンスも上手に踊ることができなかった。だからこそ、僕は家の鏡の前でカーペットが擦り切れるほど踊り続けたし、放課後は一人カラオケに行って自分の歌声を録音しながら練習を続けた。


「天才か努力家か」と聞かれたら、僕はきっと後者だと思う。


でも、自分では「努力している」という感覚はなくて。全ては「好きだから」やっていることなんです。今振り返ると、歌の練習も一人カラオケを繰り返すより、プロの先生に教わった方が早いのになって思うんだけど。先生に指導されると歌を嫌いになってしまいそうで。あの頃の僕はきっと、それが怖かったんだと思う。


「好き」だから没頭できるけれど、
「好き」だから遠回りもしてしまうこともある。


周りからすると不器用に見えるかもしれないけど、僕のこの歩み方はこれからも変わらないんじゃないかな。

美しさは“心”に宿るもの

美しくあるために意識していることがあるとしたら、それは外見ではなく中身。 “心”の大切さです。地位や名声のためでなく“心”で仕事をすること、周りにいる人達に真心を持って接すること。邪(よこしま)な心を持たずに自分の信念に沿って生きること。


人を惹きつけるのは上っ面の美しさではなく
その人が持つ心の美しさであることを
僕は父の背中から学びました。


美しいと思う女性もまた心を大切にしている人。その心もやっぱり「どれだけ自分の好きなものを大事にしているか」「どれだけ周りの人を大切にしているか」に表れる気がする。例えば、大勢で食事をするとき、僕は好きな女性が自分の友達とどう接するのかをつい見てしまう。惹かれあっている相手ならば良いところを見せようと思うのはお互い様。だからこそ、そうじゃない相手にちゃんと思いやりを持てるのか、そこがとても大事な気がして。美しくメイクし装うことはとても素敵なことだと思う。


でも、その下に隠れている本当の美しさに
ちゃんと気づける自分でありたいよね。

maquia.hpplus.jp

 

MAQUIAでも大切なテーマとしている、外見だけでなく、内面の美しさを大切に保ち、磨き続けることをまさに体現された方で、しみじみと心を打たれ、浄化された取材でした。 初めて京本さんを知る人はもちろん、ファンの方でも今まであまり見たことのない京本さんの表情や、人間性の魅力がたっぷり味わえる特集になったと思います。